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メディカルメイクアップで外見も心も変わることができた私

齋藤 栄 様

いじめられて過ごした子ども時代

私は、レックリングハウゼン病という病気をもってこの世に生まれてきました。現在の医療では治らない難病で、病気の症状のため、身体には無数にあざや腫揚があります。小学生の時には「汚い、気持ち悪い、そばによるな」と言われ、毎日いじめられて過ごしていました。この頃の私はいつも「消えてしまいたい」と思っていました。
高校生になるといじめはなくなり、友達もできましたが、病気のことは誰にも話すことができず、夏でも長袖を着て過ごしました。海やプールに誘われても行けず、身体の症状のことを聞かれると「アトピーなの」とごまかしていました。
洋服で身体を隠して、心まで隠していた私は、拒食症になり、体重は35kgまで落ちました。「栄は自分のことは何も話してくれないね」そう言われたこともありました。でも、話せませんでした。せっかくできた友達を失うのが怖かったのです。

外見が普通でなければ、生きていけない

24歳の時に一人暮らしを始めたのをきっかけに、同じ病気の人が集まる患者会に入会しました。そこは本音で話すことができ、あざを隠さなくてもいい場所でした。「自分は一人ではなかったのだ」と心強くなったのを覚えています。
でも一歩外に出ると、またあざを隠さなくては生きていけませんでした。大人になってからもいろいろなことを言われました。「そのブツブツ何? ダニに喰われた跡? うつるんじゃない?」あざを隠すために首にスカーフを巻いていると「それ、おしゃれのつもりでやっているの?」長袖しか着ない私に対して「このくそ暑いのによく長袖が着ていられるね。こっちまで暑くなるわ」などなど…。そんなことを言われるたびに、心は引き裂かれる思いでした。皆で共同で使う物でも、私の物だけ別にされていたこともありました。
「私がこんな身体だからいけないんだ。こんな身体いらない。きれいな皮膚になりたい」と、いつも心で叫んでいました。この病気は進行性で、歳を重ねるごとにあざや腫瘍は増えていきます。できてしまった腫瘍は手術で切除するしかなかったので、私は手術を繰り返しました。そのために仕事を辞めなければいけないこともありましたが、それでも手術を繰り返しました。「外見が普通でなければ、生きていけない」私はそう思っていました。

メディカルメイクアップとの出合い

患者会に何度か参加するうちに、「メディカルメイクアップ」というものがあることを知りました。私の右頬には直径5-6cmのあざがあり、顔全体は雀斑状のまだらになっています。当時の私は、これを隠すため厚塗りのメイクをしていました。メイクが上手になりたいと思っても敬遠されるのではないかと思い、デパートなどの化粧品売り場に行くことができずに、自己流でメイクをしていました。
そのうち、メイクをきっかけにして心が変わったという人に出会いました。「隠すことで心が楽になったということかな?」と最初は思いましたが、事故で大きな怪我をした彼は「過去の自分より今の自分のほうが好きだ」と言いました。それが、私がメイクを始めたきっかけです。
メディカルメイクアップ用のファンデーションは最初地元の広島で購入したのですが、うまく使いこなせず、大阪センターまで使い方を習いに行きました。大阪センターにはとても元気なインストラクターの先生がいらっしゃいました。きれいにメイクされていたので、最初、その先生に症状があることに気がつきませんでした。先生は「この顔だから今の仕事をしていられる」「インストラクターというのは人を元気にしてあげられるやりがいのある仕事」と言われました。そして「あなたも施術者を目指してみたら?」と言われました。
人と話をするのも苦手で、メイクのこともまったくわからなかった私は、絶対に無理だと思いました。その時はそのまま帰りましたが、先生の「施術者を目指してみたら?」という言葉は頭の中にずっと残っていました。

アドバイザーを目指して

広島に帰り、大阪で教わったことを実施しながらメイクをしていると、次第に「きれいにメイクしているね」」と言われるようになってきました。正直、メイクで人の心が本当に変われるのか半信半疑でしたが、少しずつ気持ちが上向きに変わっていく自分に驚きました。
そして私は今、施術者(アドバイザー)になるための勉強をしています。アドバイザーの勉強をするうち、私にとってメディカルメイクアップとは「隠すためだけのものではない」ということが分かってきました。かつての私はこの病気のせいで、こんな人生ならいつ死んでも構わないと思うほど悩んでいました。もちろん今でも「病気が治ったらどんなにいいだろう」と思う気持ちは変わりません。でも、今は「この病気でもよかったのかな?」と思えるようになりました。私がこんな気持ちになれたのは、メディカルメイクアップと、それを通して知り合った方々のおかげです。
私は今までにも素敵な人たちと出会ってきたはずなのに、自分の症状にとらわれすぎていて、それに気がついていませんでした。私がメイクをきっかけにして気がついたこと、それは「人は外見ではない」ということです。人は変われるんだなと思ったのです。
私はこれからもアドバイザーの勉強を続けていきます。そして今度は私自身が、悩める誰かのお手伝いができたらいいなと思っています。