私は9歳の時に一生治らない「尋常性白斑」と診断されています。当時はそれから半世紀もの間、悩みや苦しみが続くとは、この時には想像もつきませんでした。効果があると言われた治療はすべて試みましたがその甲斐無く、小学校6年生の時、ついに白斑は耳の後ろから胸の部分、腰の部分へと広がりました。子ども心にも人の視線の重圧感にさいなまされ、この頃になるとこのつらさは家族にも言えず、一人で抱え込むようになりました。
中学校2年生の頃には、白斑はまぶたの上、首にも広がり、絶望的でした。そんなある日「白斑」について書かれた広告を見つけ、白斑の悩みを手紙に綴って、広告を出している会社へ送りました。返事をいただいた時のうれしかったことは50年経った今でも忘れられません。その後、メディカルメイクアップをして頂くのですが、白い部分がみるみる塗られ、隠されていきます。メイクアップが終わった時の出来栄えは信じられませんでした。
当然、結婚はあきらめていましたが、幸いなことに優しく理解ある主人とめぐり会い、2人の子どもにも恵まれ、今はとても幸せです。白斑のために私の人生は憎らしいほど大きく変わりましたが、メディカルメイクアップのおかげで私の毎日が救われ、大きく変わったことに感謝しています。
医療的な治療ももちろん大切ですが、私は「心の治療」としてメディカルメイクアップが絶対に必要であると思っています。