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  3. メディカルメイクアップ、わたし物語インストラクターD「母斑」

わたくしたちの経験をお話しします


わたくしたちは、特定非営利活動法人メディカルメイクアップアソシエーションという組織で、母斑や白斑、血管腫、傷あとなどがある方のための、カバーできるメイクアップをお伝えする活動を行っています。

ここで働くインストラクターもみな、何かしらの症状があり、毎日メディカルメイクアップをおこなっています。しかし、メディカルメイクアップに辿り着くまで、さまざまな葛藤がありました。

 

インストラクターDの「わたし物語」


【メディカルメイクアップ以前】

わたしは顔に太田母斑があります。幼い頃は、自分の顔の事を心のどこかで何となく気にしている程度で、どちらかというと自覚を持ったのはだいぶ遅かったと思います。地元では、皆私の症状を知っていたので特に隠す事もなく近所の人にも可愛がられ友達にも恵まれていました。

ただ、それなりにいじめにも遭ってきたし、男の子達には顔の事で変なあだ名をつけられてからかわれたり「気持ち悪い」と面と向かって言われる事もありました。それでも、気にしてないように振る舞い笑ってごまかしていました。

「そんな事言っちゃだめだよ」とかばってくれる男の子もいて、子供ながらに人の優しさにジーンときた事もありました。

遠くに外出する時はアザを見られないように常に母の後ろに隠れていたことを覚えています。そして、人と目が合うと「私を見ている」のではなく「アザを見られている」という気持ちになってしまっていました。人が近づいてくると「またびっくりされるかな」とドキドキする事もありました。

年齢を重ねるにつれ、だんだん自覚してきた事もあり、集合写真ではなるべくアザが見えないような角度で写真に写っていた時期がありました。

学校では、「明るい子」「笑い好き」というカテゴリーに属し、常に笑顔で全く症状を気にしてないように過ごしていたし、自分自身では気にしてないと思っていました。でも、感情を抑えていたのか家に帰ると積み上げていた感情があふれ出し、母親を責めてしまった事が度々ありました。

「なんで私だけ」と一人悩む事もよくありました。一切他人には見せませんでしたが、症状がある事に劣等感を持ち自分に自信が持てなかったのです。

色々な体験をしてきたからか、人を差別する事はありませんでした。いじめられている子がいても、周りに流されず一緒に無視したりはしませんでした。どんな人でも同じように接する事ができていたし、逆に困っている人に声を掛ける子供でした。

 

【メディカルメイクアップ以後】

メディカルメイクアップを知ったのは12歳でした。

まだ子供だったこともあり大きな変化をすぐに感じる事はありませんでしたが、なんで自分だけこんな面倒な事をするのだろうと反発心がありました。でも、そのような中で、徐々に良い方向で様々な変化を感じていく事ができました。

そして、この頃を境に母親を責める事はなくなりました。

メイクアップをして外出した時は「アザを見られている」のではなく「私を見ている」と思えるようになりました。

今までより自信を持てるようになりました。お世辞だったかもしれませんが「きれいにお化粧しているね」と言われる事もあり、とても嬉しい気持ちになりました。

今までは、症状の事を聞かれるのが嫌だったのですが、隠す事もできる自信があったからか、聞かれても落ち込む事もなくなっていきました。

メディカルメイクアップ製品は私の強みになり、大切に保管しメイクアップする前は「よし、変われる!!」とワクワクして、外見だけでなく心も大きく変化しました。

高校を卒業してからは、当たり前のように日課としてメディカルメイクアップをしてきました。

逆に、メディカルメイクアップで隠す事により素顔で外に出る事ができなくなりました。宅急便は居留守を使う事もあったし、症状を知っている近所の方が来ても出られなくなってしまいました。

素顔を知っている学生時代の友達と旅行に行った時でさえ、化粧を落とす事を躊躇うようになっていきました。素顔を知らない人に、症状のことを打ち明けることが全く出来なくなってしまった…。それだけ、カバーした顔が自分の素顔であるという認識の方がいつの間にか強くなっていたのです。

症状の事を話すのは、自分の弱みをさらけ出すような気がして絶対に嫌でした。今までのように仲良くしてもらえないのではないか、嫌われてしまうのではないかと変なマイナスの気持ちが出てしまっていました。

ただ、時間がたつと自然と、だんだん周りに症状の事を話す事が出来るようになってきました。それは、症状を知らない人に話しても、態度や付き合いが変わらない事が分かってきたからだと思います。

そして、もっと仲良くなりたいと思う相手には自ら話したいと思えるようになってきました。

 

【いまのわたし】

いまでは症状を打ち明けた方が得でプラスになると思えば、進んで話せるようになりました。症状がある事や、メディカルメイクアップをしている事で諦めていた事も今では積極的にできるようになって、ずいぶん楽になりました。

メイクアップをすることで新たな悩みも増えましたが、安心した毎日を送ることができています。もちろん、今でも悩むことはありますし素顔でいたらまた別の人生だったかなと振り返ってしまうこともあります。

隠すことが全てではありませんが、一度メディカルメイクアップをした自分を見ることも新しい自分を発見するきっかけになってくれると思います。

悩みが「見えなくなる」ことで、それまでは想像もしなかった別の悩みがあらわれてきます。せっかくひとつハードルを乗り越えたと思ったら、またひとつハードルがあらわれる。でも、それは新しい状況や感情に出会うための変化に必ずつながっています。

人生を変えるきっかけを、ご一緒に。ひとりではありません。

一緒にメディカルメイクアップをはじめましょう。



●少しでも気になることがございましたら、お気軽にお問合せください●
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